彫刻専攻
独自の視点で事象を捉え
表現へと展開?構築する方法を探る
教育目的

確かな実感を持って捉えた自然界や人間社会のあらゆる事象が、彫刻表現の源泉です。そして、心動かされる事柄や思考を、物質や図像など適切なメディアを用いて、現実空間に変換し、表し、記憶にとどめ、他者と共有しようとすることが、彫刻するということです。
彫刻専攻は、さまざまな事象を独自の視点で捉え、表現へと展開し構築する方法を探る場であり、人と人、人と社会、人と自然を結びつける芸術本来の役割を担える人材を育てることを目標としています。
実技カリキュラム
1年次前期の総合基礎実技を履修後、1年次後期と2年次前期で美術科の基礎実技(日本画基礎、油画基礎、彫刻基礎、版画基礎、構想設計基礎)A?Bを履修します。彫刻専攻に進むためには、「彫刻基礎A?B」のいずれか、または両方の履修が必須です。
彫刻基礎A?B(1年次後期?2年次前期)

「彫刻基礎A」では、観察を出発点に鉄や石、自然木、陶土など実素材を使った制作を体験?修得します。「彫刻基礎B」では、立体的な表現に関する発想と展開に当たっての着眼点について、また素材の特性や、制作に必要な加工技術と取扱いの知識を学びます。
彫刻1?2?3(2年次後期?3年次?4年次)
下記の3つの研究室(彫刻1?3)の中から1つを選択し、自由制作とゼミを行います。研究室は半期ごとに自由に選択し履修します。
彫刻1 | 彫刻の造形原理を学ぶことにより、その展開と表現ができるようになることを目指します。 |
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彫刻2 | 自己と、自己を取り巻く現実世界との関係性から制作の糸口を探り、その展開と表現ができるようになることを目指します。 |
彫刻3 | 各自の制作研究活動を、自発的に探査し展開する活動として捉え、その方法の多様性を理解し拡張を試みます。 |
科目一覧
在学生の声

制作を通して思考力が鍛えられる専攻です。
杉浦 千咲さん(彫刻専攻3回生)
彫刻専攻では、表現したいことに合わせて素材から自分で選びます。表現方法にかたちが無い分、やりたいことを自由に考えて、能動的に制作できる専攻です。
基礎の授業が終わる2年後期からは、おもにひとつの大きな部屋で学年関係なく制作しています。他学年とも交流しやすく、制作の相談をしたり楽しく話したりなど気分転換にもなる良い環境です。
絵を描いてもいい、造形をしてもいい、空間で表現してもいいという自由度の高さの中で、どの手段が一番適切で、的確に他者に伝えられるか、試行錯誤を繰り返しています。制作を通してさまざまな素材に触れ知識をつけつつ、思考力が鍛えられる専攻だと思います。
専攻のゼミや活動
身体の立体的描写

「BODY」をテーマに、人間?動物?建築物などのさまざまなbodyの関わりを考えるワークショップを、馬を用いて行いました。自身と馬の身体の動き、また、騎乗して移動することで、身体感覚や空間認知の変化を経験し、それらの経験から粘土で造形物を制作しました。
彫刻、パフォーマンスに関するワークショップ

KYOTO EXPERIMENT京都国際舞台芸術祭2024において、京都市役所本庁舎屋上庭園で上演されたインドネシアのアーティスト、ムラティ?スルヨダルモ氏によるパフォーマンス作品「スウィート?ドリームス?スウィート」。
パフォーマンス本番のほか、ムラティ?スルヨダルモ氏によるワークショップおよび2回のリハーサルに、彫刻専攻の学生が参加しました。
現地の出演者と共に作品を作り上げていく本作を通して、学生にとってアーティストによる作品創造のプロセスと思考に触れられる機会となりました。
登り窯実習

粘土は心に思い描いた形をすばやく目の前に実現することのできる素材の一つです。これに焼成のプロセスを加えることで、より安定した媒体となるため、古来さまざまな民族に用いられてきました。彫刻ではこの技法について、登り窯実習として数年に一度、実体験できる機会を設けています。
非常勤講師(実技)一覧
- 今村遼佑
- 楠井沙耶
- 野村由香
- べーハイム雪絵ラオレンティア